ラン自生地を再生できない
    一度破壊すると、絶種すると復元できない


 ラン業界はプラントハンターによる新種発見採集によって発展してきたという側面を持つ。
 西欧の帝国主義の植民地支配の中で、多くのプラントハンターは植民地の秘境に入った。
 本国ではオーキッド フライ(ランに群がる蠅)と酷評されながらも・・・・。

 そういう蘭界の体質のDNAは今も脈々を継承されている。
 このDNAは花の愛好家に洋の東西を問わず存在するものらしい。
 必ず、誰も持っていないものを持つという優越感に支配され、
 これが変異株を発見し愛培するという行為になる。
 これが、園芸の発展の源になっている。
 だから、絶滅危惧種ほど・・・珍重される。
 園芸のカタログに、珍種、新種が踊らなければ・・・・そのカタログは見向きもされない。
 業者の熱意のバロメーターにもなる。

 そういうことで発展してきた蘭界も、
 世界的な自然保護の潮流に逆らうことは許されない時代になった。
 自然保護の潮流が、一部のランでは既に遅かったというものもある。
 日本に例をとれば、カンラン、シュンラン、エビネ、クマガイソウ、アツモリ、
 イワチドリ、ウチョウラン・・・サギソウ・・・花の美しいラン科植物の多くで、
 盗掘による自生地破壊は再生不可能な状態になり、
 各地で絶種が確認作業が続いている。

 一度絶種したラン科植物の自生地再生はほとんど不可能に近い。
 鳥でも、朱鷺、コウノトリ・・・の再生がTVで放映されるが、
 野生に戻すのは、容易なことではない。 
 ラン科植物は、それより難しい。
 ランは菌根植物だからである。
 自生地を再生するには、先ずラン菌を繁殖させなければならない。
 そのラン菌を、これまで探索し発見し、培養した者がいなかったからである。
 ラン界では、新種の発見に目はゆくが、その根圏に生息するラン菌に、
 興味を持ち発見の努力をしなかった。
 なるほど、ラン菌の発見のような地道な研究では、美しい写真のランの本は作れない。
 ランの本は、よって皆、美しい花掲載の本。
 そういうことで、原種ブームが作り出された。
 仕掛け人。
 音楽のヒットソングつくりと同じ手法が用いられた。
 そういう潮流の中に、自生地再生の目線はない。

 現在栽培に使用されているコンポストで、
 自生地再生可能なものはない。
 肥料無くしては作れないコンポストである。
 ラン菌が生息できないコンポストだからである。
 こういうコンポストでは、自生地では菌根植物であるランは絶対に生きることは出来ない。
 枯れ落ち葉、植物死骸の炭素循環がないからである。


 蘭展でも多くの原種が展示されるが、
 参考出展ではなく、栽培技術を競う展示であるが、
 そこで賞に輝く栽培技術が、自生地再生には応用できない技術でしかない。
 自生地再生できない技術というのは、自然再現栽培法ではないということである。
 ここに現在まで行なわれて来た栽培法、コンポストは、
 ランから見れば原理原則にのっとったものでないということが出来る。

 SUGOI-ne。
 このコンポストは、自生地再現可能な世界初のコンポストである。
 無菌培養でプロトコームを作る。
 これをSUGOI-neに一般の植物の種子のように播く。
 SUGOI-neの炭素循環で発芽し生長する。
 SUGOI-neでは、ラン菌の働きで種子からの発芽も可能であるが、
 あまりにも確立が低すぎる。
 播種での自生地再生は、トキ、コウノトリのレベルではない。
 もっともっと困難を極める。
 以上の理由から、無菌播種でプロトコーム形成するランでは、
 プロトコーム播種が可能性がある。


 自生地からランを採集するのは簡単である。
 原種を輸入して販売するのも仕方ないかもしれない。
 しかし、これまで行なわれて来た栽培法では、自生地再生は絶対不可能である。
 
 SUGOI-neの開発の意味は、
 自生地再現可能だということである。

 

 
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